医学研究

ヒト個体でのSOS応答に関する研究のスタートは、放射線被曝に関する研究からです。健康診断で行われている胸部X線検査の機会を活用して、検査直後、被験者の静脈から採血し得られた血液からリンパ球を採取しての研究でした。リンパ球におけるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素 )の活性レベルが、X線検査後、—過性に上昇することを見出したのです。他方、超音波検査後には、そのような上昇は見られませんでした。特記しておくべきこととして、1986年4月26日以降のことがあります。チェルノブイリ原発事故後、しばらくの間、100名以上の被験者の方々全てで、上昇化現象が見られていたのです。なお、そのようなリンパ球における活性化現象の謎ときには、莫大な費用と多くの人手を要します。
そして、それ以上の研究の進展はできていない状況下、2011年3月11日、福島第一原発破壊が勃発しました。広範な地域に放射性物質が降り注ぎました。そこで、水道水・河川水・土壤・農産物・漁産物における放射性物質汚染の調査と共に汚染被害に対処すべき具体的解決策の立案を必要としたのです。幸い、ゼオライトによる放射性物質吸着という情報がありました。

ゼオライトは、従来より、その高い吸着能力および陽イオン交換能力が評価されています。例えば、日本に豊富に存在する天然型ゼオライトは、汚染水の浄化剤として期待されています。また、より吸着性を高めるために、化学物質を添加した改良型の開発研究も盛んです。特に、福島第1原発破壊以来、放射性セシウムの吸着性を活用した除去剤としての活用が希求されています。

ゼオライトはライフセラミックスの原料です。天然ゼオライトでの高い吸着率が見られましたが、ライフセラミックスには、その天然ゼオライト以上の吸着力のあることを期待することとしたのです。期待どうり、ライフセラミックスには天然ゼオライトより高いセシウム137への吸着力が見られたのです。なお、吸着材として知られる活性炭では著しく低い吸着力でした。したがって、ライフセラミックスが放射性物質の吸着剤として活用されることが、期待されます。ただし、ライフセラミックスの吸着力は水溶液中で見られるものです。そこで、例えば、放射性物質が付着しているものが水溶液中にあれば、ライフセラミックスを投与するとよいと考えられます。放射能汚染が心配される食品の場合、味噌塩麹などと併用するのも一案となるでしょう(味噌と放射線の関連は⑧を参照 して下さい。なお、外界における土壌へのライフセラミックスの散布法では、降雨後の吸着が期待されます。

動画 掲載ページ 掲載年月日

蘇る風景2010 春の亥鼻山と千葉市内 【前編】
キャンパス便り 2010.7.23

無から有を生む生命科学探究の四十五年間—ヒトのSOS応答生理機能の創成および放射能汚染調査の残照—
生涯学習講座 2012.6.19

機能性ゼオライトによる放射線セシウム除去能力の検討
生涯学習講座 2012.10.3
原発事故による放射能汚染と対策
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生涯学習講座 2011.12.16
飲用水と食品における放射線レベルの簡易測定結果
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生涯学習講座 2011.12.16